事業年度とは、会社の決算をするための期間のことです。会計年度・決算期とも言われます。事業年度の最終日のことを決算日と言います。
この事業年度は、自由に決めることができます。
会社は少なくとも事業年度ごとには決算を行ない税金の申告をしなければなりません。
事業年度を決める際の考え方について
事業年度(決算時期)の決定は、次のような観点から行ないます。
- 消費税の免税期間をなるべく長くする
- 会社の繁忙期を避ける
- 国の会計年度に合わせる
消費税の免税期間をなるべく長くする
資本金1,000万円未満で合同会社を設立した場合、基本的には1期目と2期目は消費税の納税を免除されます。新設の会社でも一定の場合には課税事業者となります。
会社を設立した月を事業年度の始期とすると、消費税の免税期間をなるべく長くすることができます。
例えば、7月に合同会社を設立し、決算時期を6月末日とすれば、ほぼ1年間決算時期を先延ばしすることができ、1期目を最長とすることができます。
このようにすることで、最大で丸2年間は消費税の納税を免れることができます。
消費税免税を最大限受けられるようにするのであれば、会社が設立した月を事業年度の始期とするのがよいということになります。
会社の繁忙期を避ける
会社は決算月から2カ月以内に確定申告書を税務署に申告する必要があります。決算業務が会社の繁忙期と重なると通常業務に支障が出る可能性があるためです。
繁忙期は売上が多い時期でもあります。
決算月を繁忙期から離して設定しておくと、予想以上に利益が多かったとしても、決算までに節税を含めた決算対策を立てることができるという利点があります。
国の会計年度に合わせる
日本国の会計年度は、毎年4月1日から翌年3月31日です。
社会一般的にはこのタイプの3月決算が多いようです。
3月決算が多いということは、税理士事務所の繁忙期でもあります。
3月決算にするのなら、税務申告を依頼する予定の税理士事務所と相談した方がよいでしょう。
事業年度は変更できる
一度決めた事業年度は、会社設立後でも変更することができます。
会社設立後に事業年度(決算月)を変更した場合は、税務署や都道府県事務所等に変更届を提出する必要があります。