会社の名前のことを商号といいます。
商号は基本的には自由に決めることができますが、いくつかルールがあります。
商号は自由に決めることができるといっても、言いにくい名前や難しい漢字を使うのは避けるのがいいと思います。
会社名には必ず「合同会社」という文字を入れる
合同会社の商号には「合同会社」という文字を用いなければなりません(会社法第6条第2項)。
「合同会社」という文字の位置は、商号の前でも後でも構いません。
例)合同会社神奈川商事、神奈川商事合同会社
他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字は使えない
合同会社の商号には「株式会社」や「合名会社」といった他の法人の種類を使用することはできません(会社法第6条第3項)。
他の種類の会社であると誤認されるおそれのある文字をその商号中に用いた場合、100万円以下の過料に処されることがあります(会社法第978条第1号)。
不正目的での商号使用の禁止
不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある商号を使用することはできません(会社法第8条第1項)。
このような商号の使用によって営業上の利益を侵害され、又は侵害されるおそれがある会社は、その営業上の利益を侵害する者又は侵害するおそれがある者に対し、その侵害の停止又は予防を請求することができます(会社法第8条第2項)。
不正の目的をもって、他の会社であると誤認されるおそれのある名称又は商号を使用した場合、100万円以下の過料に処されることがあります(会社法第978条第3号)。
商号に使える文字
商号に使える文字や符号には制限があります。商号に使える文字・符号は、次のとおりです。
- 漢字
- ひらがな
- カタカナ
- ローマ字(大文字・小文字)
- アラビヤ数字(0,1,2,3,4,5,6,7,8,9)
- 符号
「&」(アンパサンド)
「’」(アポストロフィー)
「,」(コンマ)
「-」(ハイフン)
「.」(ピリオド)
「・」(中点)
※これらの符号を使用できるのは、字句(日本文字を含む)を区切る際の符号として使用する場合に限られます。
※ピリオドは、省略を表すものとして商号の末尾に使用することができます。
ローマ字と日本文字とを組み合わせた商号
ローマ字と日本文字とを組み合わせた商号を登記することができます。
例)ABC商事合同会社、合同会社ABC商事
数字だけの商号
数字だけの商号を登記することができます。
例)777合同会社、合同会社777
「合同会社」の代わりに「LLC」とはできない
「合同会社」の代わりに「LLC」とすることはできません。
「LLC」を商号に入れることはできます。その場合、LLC商事合同会社のようになります。
同一商号、同一本店の禁止
商号が、他の会社が既に登記した商号と同一で、かつ本店所在場所が同一であるときは、登記できません(商業登記法第27条)。
言い換えると、同じ住所に同じ名前の会社がある場合は登記できません。