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取締役の欠格事由(取締役になれない人)

 

会社法は、取締役になれない人を次のように定めています。

  1. 法人
  2. 成年被後見人若しくは被保佐人又は外国の法令上これらと同様に取り扱われている者
  3. この法律若しくは一般社団法人及び一般財団法人に関する法律の規定に違反し、又は金融商品取引法、民事再生法、外国倒産処理手続の承認援助に関する法律、会社更生法の罪若しくは破産法の所定の罪を犯し、刑に処せられ、その執行を終わり、又はその執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
  4. 上記3.に規定する法律の規定以外の法令の規定に違反し、禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまで又はその執行を受けることがなくなるまでの者(刑の執行猶予中の者を除く)
※成年被後見人、被保佐人とは成年被後見人、被保佐人はそれぞれ民法で次のように規定されています。

  • 成年後見人:精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く常況にあるとして、家庭裁判所の後見開始の審判を受けた人。
  • 被保佐人:精神上の障害により事理を弁識する能力が著しく不十分であるとして、家庭裁判所から保佐開始の審判を受けた人。

言い換えると

  • 成年後見人:認知症、知的障がい、精神障がいなどによって物事を判断する能力がないとして、家庭裁判所の後見開始の審判を受けた人。
  • 被保佐人:認知症、知的障がい、精神障がいなどによって物事を判断する能力が著しく不十分であるとして、家庭裁判所から保佐開始の審判を受けた人。

といえます。

取締役になれない人を取締役に選んでも無効です。すでに就任の登記をしている場合は、抹消登記をしなければなりません。

すでに取締役に選任されている人が欠格事由に該当すると、取締役としての資格を失います。つまり、自動的に退任することになります。

なお、旧法では破産者で復権を得ていない者は取締役となることができないとされていました。しかし、現行の会社法ではこのような規定はありません。つまり、破産者で復権を得ていない者も取締役になることができます。この点は、勘違いされている方がいるかも知れません。

ただし、取締役に選任されている人が破産をした場合には、民法上の規定から会社と取締役との委任関係が終了します。このため取締役は退任することになります。その後改めて選任することは問題ありません。